過払い金、グレーゾーン金利の解決は2016年がラストスパート!

2016年10月27日

目次

過払い金とは

過払い金とは消費者金融などの金融機関でお金を借りた際に、本来返済しなくてはいけない金額よりも多く返済してしまった金額のことを言います。
カードローンなどに馴染みのない方には、「返済しなくてはいけない金額よりも多く返済するってどういうこと?」と疑問に感じるかもしれないので1つずつ説明していきます。

まず金融機関でお金を借りると、利息をつけて返すことになります。
10%の金利で1年間お金を借りた場合だと、1年後に元金に10%加えた金額を返済することになります。
この多く支払った10%分が金融機関の利益となっており、金利が高いほど金融機関の利益も大きくなります。

そのため金融機関としては、少しでも高い金利でお金を貸し出したいのですが、法律で貸し出しをする際の上限金利が定められているので、その金利を超えて貸出することはできません。

ところが日本国内には貸し出し金利の上限を定めた法律が2つ存在し、その内容が違っていたので問題が起きました。
この2つの法律というのが出資法利息制限法です。

上限金利が29.28%だった出資法

出資法は1954年に制定された法律です。
お金を貸す業者が強い立場を利用して、不当に高い利息を得ることができないように規制をしたものです。
出資法では、2010年6月17日に法改正がされるまで、貸し出しを行う際の上限金利が29.28%となっていました。
これに違反すると、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金(法人の場合は3,000万円)が課されます。

上限金利が20%の利息制限法

利息制限法も1954年に制定された古い法律です。
利息制限法は金融機関だけに関わらず、お金を貸し出したときの金利を制限していて、その上限金利は20%となっています。

利息制限法で定められた上限金利

借入金額 上限金利
10万円未満の場合 20%
10万円以上100万円未満の場合 18%
100万円以上の場合 15%

利息制限法では20%を超える金利は無効となっており、返済の義務がなくなります。
ただし2000年代に法改正がされるまで、違反したときの罰則が特に設けられていませんでした。

グレーゾーン金利

金利に関する法律が2つ合ったことに加え、それらに違反したときの罰則も大きく違っていたため、より高い利益を上げようと、多くの金融機関が出資法で定められていた29.28%を適用して貸し出しを行うようになりました。

この金利は利息制限法に違反している一方で、出資法は守っているという意味合いを込めてグレーゾーン金利と呼ばれるようになり、2000年代に法改正が行われるまではテレビCMで見かけるような大企業でも当たり前の様に、グレーゾーン金利を適用していました。

過払い金はグレーゾーン金利が廃止されたことで発生した

ところが2000年代に法改正が行われ、20%を超える金利は違法となりました。
これによって過去に20%を超える金利で借入れを行っていた方は、払いすぎていた利息を返してもらえることになりました
これが冒頭で説明した過払い金のことです。
過払い金が発生する条件は下記のとおりです。

・借入れ額が10万円未満で金利が20%を超えている
・借入れ額が10万円以上100万円未満で金利が18%を超えている
・借入れ額が100万円以上で金利が15%を超えている
・上記を超える金利で借入れをしていて完済から10年以内である

現在借入れが有る方も、過払い金があれば返済額を減らすことが出来る

現在金融機関から借入れを行っていて、その中に過払い金が発生している場合は、借入総額を減らすことが出来ます
これは過払い金で借入額を相殺するという形になるので、場合によっては返済額がゼロになるだけではなく、お金が返ってくることもあります。

過払い金を計算してみよう

自己破産でも過払い金が戻ってくることも

グレーゾーン金利が適用されていた頃には、金利が高すぎることも関係して、いくら返しても元金が減らない、というケースがよく見かけられました。
中にはそういった事が理由となって自己破産をした方もいるかもしれませんが、自己破産を経験した方でも過払い金が戻ってくることがあります。

例えば100万円を金利29%で1年借りていた場合は、トータルで129万円の返済義務が生じます。
しかし利息制限法だと100万円を借りた場合には上限金利が15%となるため、実際には返済義務が生じるのは115万円ということになります。

このように、利息制限法を適用した金利で借入額を計算し直すことを引き直し計算といい、引き直し計算をせずに自己破産をした場合は、計算し直すと実は既に完済していた、というケースが稀にあります。

例えば115万円の返済義務が有るのに対し、数年間利息分だけ金額を支払い、既に120万円を支払っているケースもあります。
そんな方が自己破産をすると、115万円だけが清算されることになるので、過払い請求をすれば払いすぎた5万円が戻ってくるのです。

100万円を借りて毎年30万円を返した場合

借り入れ年数 グレーゾーン金利
金利29%
(元金+利息-返済額=残金)
利息制限法
金利15%
(元金+利息-返済額=残金)
1年目

100万円+29万円-30万円=99万円

100万円+15万円=30万円=85万円

2年目

99万円+28.7万円-30万円=97.7万円

85万円+12.7万円-30万円=67.7万円

3年目

97.7万円+28.3万円-30万円=96万円

67.7万円+10.1万円-30万円=47.8万円

4年目

96万円+27.8万円-30万円=93.8万円

47.8万円+7.1万円-30万円=24.9万円

5年目

93.8万円+27.2万円-30万円=91万円

24.9万円+3.7万円-30万円=-1.4万円

※分かりやすくするために千円未満の金額は切り捨てています。

上の表のように借入れ金利の違いで返済額が大きく変わります。
引き直し計算をすれば、5年目には既に完済していたことになり、それ以上の支払いは過払い金の対象となります。
もし6年目に自己破産を行っているとすると、本来は5年目で完済していたことになるので、この場合その差額分が返還されます。

過払い金チェッカー

過払い金の有無を調べるには金融機関に利用履歴を開示請求する必要があるため、抵抗を感じる方もいるかもしれません。
そんな方には過払い金チェッカーがオススメです。
過払い金チェッカーとは、インターネットで簡単に過払い金があるかどうか調べることができるツールで、借入れ額、借入期間、金利を入力するだけで利用できます。

あくまでも大まかな金額しか調べる事が出来ませんが、過払い金の疑惑があると今後貸金業者と良好な関係を続けることも困難になってしまうので、思い当たる節が有る方は一度調べてみるといいかもしれません。

過払い請求には時効があるが・・・

過払い金の請求権利は完済から10年までの間です。
2010年6月18日以降に借入れを行った分に関してはグレーゾーン金利が適用されていないので、過払い金が発生するということはなくなりました。
ただし返済がこの期間をまたいでいる場合は、今でも過払い金が発生する可能性があります。
重要なのは完済してからの期間なので、借入れを始めたのが平成15年で完済したのが平成25年なら、そこから10年の平成35年までは過払い請求が出来るということです。

2006年の1月に最高裁でグレーゾーン金利が違法という判決がでてからは、多くの業者が法改正に先駆けて20%以内の金利を適用してきました。
そのため、2016年頃には既に過払い金の請求権利はほぼ失効することになり、テレビなどで見かける過払い金のCMもこの頃をピークに減っていくと思われます。

ですが完済から10年が過ぎていても貸金業者を不法行為として訴えることで請求する方法もあります。
かならずしもこの方法で返還されるというわけではありませんが、消費者に有利な判決が出ることも多いようです。

クレジットカードにも過払い金がある?

これを読んでいる方の中にはカードローンは使ったことは無いけど、クレジットカードは持っているという方もいるでしょう。
そんな方はきっとクレジットカードでは過払い金の問題はどうなっているの?と疑問に思うかもしれません。
クレジットカードにはショッピング機能とキャッシング機能があり、この内キャッシング機能を使っていた場合は、過払い金が発生している可能性があります
ショッピング機能は立替であるのに対し、キャッシング機能は借入れであるため利息制限法の対象になるからです。

ただしクレジットカードで過払い金請求を行うと、その後の該当カードの利用が停止されたり、同会社から新規でカードの発行ができなくなったりする可能性があります。
クレジットカードはカードローンよりも日常に浸透しているので、過払い金請求を行う際は、事前に他の会社で新たなカードを作ってから手続きを始めることをオススメします。

過払い金請求は専門の弁護士に

例え過払い金があったとしても、貸金業者の方から過払い金の返金を申し出ることはまずありません。
もしあなたが過払い金の問題を解決しようと思ったなら、利用履歴の開示請求を行うなど不慣れな対応をしなくてはならないので、弁護士に相談することがオススメです。

過払い金が社会問題になる前は個人で訴訟を起こしても、比較的素直に返還に応じるケースが多かったと言われていますが、社会問題になってからは過払い請求の数が一気に増え、裁判で争うケースが増えています
そうすると個人では対応しにくい事も増えてくるので、弁護士を通した方が返還までの流れがスムーズに済みます。

気になる費用は?

弁護士に依頼する際に気になるのは費用だと思います。
弁護士費用は着手金、成功報酬金、過払い報酬金の3つからなります。

着手金

着手金は裁判が成功か失敗かに関わらずかかるお金で、言わば契約手数料です。
弁護士によって設定している金額はバラバラで、過払い金返還請求の場合だと1社当たり2万円に設定している所や、裁判終了後に成功報酬に加えて請求することが多いです。
なお裁判に負けても着手金が返ってくることはありません。

成功報酬金

結果に応じて支払う金額です。
過払い金返還請求の場合、解決報酬金が1社あたり2万円以下(商工ローンでは5万円以下)、減額報酬金(※1)が減った返済額の10%以下と決まっています。

※1減額報酬金とは債務整理をして減額になった借金の額から計算される報酬です。
100万円あった借金が70万円になった場合、最高で減った30万円の10%を支払うことになります。

過払い報酬金

返還された過払い金の額を元に決まります。
訴訟無しで返還された場合は返還額の20%以下、訴訟を起こして返還された場合は返還額の25%以下と決まっています。

こんな時は過払い金が返ってこない

残念ながら弁護士に相談しても過払い金が返ってこないケースもあります
返ってこないケースは主に下記の3パターンです。

完済をしてから10年以上時間が経っている

上記で説明したように過払い金の請求期限は完済から10年です。
これを過ぎると例え過払い金があっても、返してもらうことは出来ません。
ただし不法行為として訴える方法もあります。

借入れをしていた貸金業者の経営が悪化もしくは倒産している

グレーゾーン金利と過払い金が社会問題になると、数多くのメディアで取り上げられるようになりました。
そのため過払い金請求を行う人が一気に増え、貸金業者の経営が急激に悪化したり、倒産してしまったりする所もありました。

残念ながら経営が悪化、もしくは倒産してしまった会社からは過払い金請求を行うことは出来ません
これは単純に会社が返すお金を持っていないので、差し押さえ手続きをしても、差し押さえるものが無いためです。
また倒産すると会社が持っていた負債はなくなってしまうので、負債の一部である過払い金も消えてしまいます。
ただし倒産してすぐの場合は、一定の猶予期間が設けられているため、その猶予期間内に過払い請求をすれば、お金が返ってくるケースも稀にあります。

借入れ業者の名前を忘れてしまった

過払い請求をするには、借入れをした貸金業者に利用履歴の開示請求を行うので、たくさんの業者を利用していて、どこで借りたか忘れてしまった、というような場合は、過払い請求をすることは出来ません。
対策としては銀行通帳に記載されている情報を元に、取引会社を調べるなどの方法があります。

まとめ

・過払い金とはグレーゾーン金利で貸し出されたお金のこと
・過払い金の返還請求期間は基本的に完済から10年
・クレジットカードではキャッシング機能で利用したお金は過払い金請求できる可能性がある
・過払い金請求を行う時は弁護士を通したほうがスムーズ
・過払い金が返ってこない場合もある

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