新たなヤミ金“ソフト闇金”に注意

2016年11月17日

新たなヤミ金“ソフト闇金”に注意

ヤミ金(闇金融)を題材にしたドラマや映画などが流行り、“ヤミ金といえばこんな人たち”というイメージが世間ではあります。しかし最近では、顧客対応や宣伝などにおいて、一般の貸金業者と同じようにやわらかい印象を与える、「ソフト闇金」なるものが新たに誕生しているようです。そのため、一般的な消費者金融と間違えて利用してしまい、知らずのうちにトラブルにあってしまったということも。 『もし自分もそうなってしまったら…』そのようなことのないように、ここではソフト闇金とはいったいどのようなものなのかを解説していきたいと思います。

目次

ソフト闇金もヤミ金と同じ

ヤミ金(闇金融)は、高金利な貸付をしたり、取り立てが厳しかったりということもあって、その恐さから利用する方は少ないというのが現状です。しかし、ソフト闇金は電話での対応も丁寧ですし、従来のヤミ金のように威圧的なものではありません。そのようなこともあり、一般的なカードローンの審査に通過しなかったという方の中には、こちらの利用を考える方もいるようです。

ソフト闇金の利用者ですが、カードローンの審査に通過しなかった方たちの他にも、生活保護受給者、年金の受給を受けている高齢者、専業主婦などがあげられます。そしてそのような方たちに、小口の貸付をして短期に回収するというのが彼らの手法です。
また、「懇切丁寧に相談に乗る」というのもヤミ金とは違うところ。これは、親身になって利用者の相談に乗るフリをすることで、親切な人たちだと錯覚させる彼らのやり口です。さらに、返済を遅らせてくれるといった“逃げ道”を用意することで、利用者との信頼関係をより強固なものにする方法もとられるようです。そうすることで、彼らの天敵である、弁護士や警察への駆け込みを防止するといった狙いがあるといわれています。

それから高齢者のなかには、話相手になってくれるからといって、ソフト闇金だと分かっていても利用するという方もいるようです。特に人との関わりが少なくなったという高齢者に多く、あとから親族がソフト闇金の利用に気付くといったケースも。このようなことから、被害にあったと気が付くまでに時間が掛かることがあるため、警察への被害届も発見も、従来のヤミ金に比べて少ないともいわれています。

ソフト闇金も“ヤミ金”と同じ違法業者です。相談などの対応はソフトでも、例えば極端な話、年金を担保に融資を持ちかけ、契約した時点で年金手帳や印鑑などを取り上げる業者や、生活保護受給者の場合、わざわざ受給される日に家の近くまで取りに来るという業者もいるほど、なかなかハードな面を持っています。しかも、それをあからさまに取り立てだと気付かせずに言葉巧みにカモフラージュしているところが、ソフト闇金の厄介なところです。

ヤミ金とソフト闇金の特徴を比較!

ヤミ金(闇金融)とソフト闇金、違法営業をしているという点では同じ闇金融であることに変わりはありません。
しかし、消費者金融や銀行のカードローンなどのスペックが違うように、これらにも違いはあるのでしょうか。それぞれの特徴を比較していきましょう。

金利 取り立て方法 返済について
ヤミ金 10日で10%〜50%
(一例です)
ハード 返済を延ばしてくれない
ソフト闇金 一週間で20%
(一例です)
ソフト 返済を延ばしてくれる
消費者金融 年3.0%〜18.0%前後 ソフト 返済を延ばしてくれない
銀行カードローン 年3.0%〜15.0%前後 ソフト 返済を延ばしてくれない

金利

ヤミ金が高金利だというイメージが根付いたのは、闇金融を題材とした映画や漫画で度々登場する、「トイチ」という言葉からでしょう。このトイチとは、10日で1割の金利という意味。例えば10万円借りたとすると、10日後には1割の1万円の利息が付いてくるというものです。今では、そのような暴利で貸付をする闇金融も少ないといいますが、表を見ると分かるように、一般のカードローンの平均金利は、消費者金融が3.0%~18.0%前後、銀行が3.0%~15.0%前後という数値が平均的なのに対して、ヤミ金(闇金融)では、トイチ、トニ、トサン、トヨン、トゴという言葉があるように、業者によっては10%~50%とそれぞれが都合のよい金利を設定していることがほとんどのようです。
また、酷いところでは、カラス金といって1日1割というところもあるようです(夕方・明け方にカラスが鳴くごとに利子が付くことから由来)。
そして、ソフト闇金もヤミ金と同じく高金利。1週間で20%、10日で30%というように、日数によって金利のパーセンテージが決められていることが一般的のようです。
ちなみに、貸金業者が融資をする場合には、利息制限法が適用されるため、金利20%を超えた場合は違法となります。
ヤミ金もソフト闇金も、それ以上の金利に設定していることが多いため、明らかに違法だということがいえるでしょう。

取り立て方法

こちらも映画や漫画のヤミ金イメージから、普通の消費者金融でも自宅に押しかけてきたり、勤務先に嫌がらせの電話やFAXがあったりするのでは?と心配になっている方もいるのではないでしょうか。しかし実際は、貸金業法の第21条に「取立行為の規制」という項目があるため、基本的にはこのようなことはありません。(しつこい電話などの嫌がらせはあるかもしれませんが)
なお、こちらの「取立行為の規制」の内容を簡単にまとめると以下のようになります。

取立行為の規制

①貸金業者又は債権の取立てについて委託を受けた者等が、債務者、保証人等を威迫する言動を行ってはならない。
⇒例えば、多人数で押しかけることや、大声をあげたり、乱暴な言葉を使ったりなどの行為は禁止されています。

②債務者、保証人等の私生活又は業務の平穏を害する言動を行ってはならない。
⇒正当な理由もなく、午後9時から午前8時までの不適切だと判断される時間帯に電話や電報、勤務先などへ訪問してはならない、というように決められています。

③その他、債務者、保証人等に対し、次のような行為をしてはならない。
⇒法律上支払義務の無い者に対して支払請求をしたり、必要以上に取り立てへの協力を要求したりすること、他の貸金業者からの借入れ又はクレジットカードの使用等により弁済することを要求することなどがあげられます。
(参照元:金融庁「取立て行為の規制」より)

上記に違反した場合は、それぞれ脅迫罪や業務妨害罪といった刑罰の対象となります。そのため、ヤミ金もそのようなリスクを負ってまで取り立ては行うことは少ないので、想像しているものよりも激しいものではないでしょう。
しかしヤミ金(闇金融)は、そもそも違法で営業しているわけですから、利用者は法律に守られているからといって安心しすぎるのもよくありません。 “もしかしたら法律を無視して取り立てが来るかも”という想定のもと、自らを守るための準備を万全のものにしておきましょう。

ちなみに、ソフト闇金の場合は、ヤミ金ほど圧迫感のある取り立てをしてこないとされています。また、返済に遅れたとしても期日を延ばしてくれたり、こちらの生活を心配して相談に乗ってくれたりと、親身になって考えてくれるようです。一見、良心的な業者だと思ってしまいますが、実はそれが落とし穴。
このように親切な対応をすることで、利用者との信頼関係をより強くするだけではなく、期日までに返済するという感覚を鈍くすることで、遅れた分の金利・利息をしっかりと徴収するという目的があるのです。

ソフト闇金を知らずに利用してしまったら

しかし前述にもあるように、ソフト闇金とは知らずに利用してしまったら、どのようにすればよいのでしょうか。
結論からいうと、ソフト闇金であれヤミ金(闇金融)であれ、“闇金融”だと気が付いた時点で、弁護士や司法書士などの法律の専門家に相談することをオススメします。理由としては、完済したのにも関わらず、しつこく借り直すように仕向けられたり、あの手この手でお金を要求したりすることも考えられるためです。さらに、借りる意思もないのに勝手に融資額を口座に振り込み、返済期日を過ぎると利息が加算されているというケースもあるからです。

ヤミ金(闇金融)は弁護士や司法書士が介入することを非常に嫌がります。それはもちろん、闇金業者が法外行為を行っているからです。例えば、金利のところでも解説しましたが、闇金が適用している金利は利息制限法に違反していますし、厳しい取り立てや嫌がらせが起こった場合も、上記の「取立行為の規制」に反することになります。
このことから、弁護士や司法書士を通じて、裁判や警察表沙汰になるリスクを考えると、闇金も引き下がるのかもしれません。

また、すぐに家族に知らせておくことも検討したほうがよいでしょう。ヤミ金(闇金融)の利用者は、家族や周囲に知られたくない、迷惑を掛けたくないという気持ちから、何とかして返済をしようという心理が働くそうです。
そのため、生活費などのお金がなくなり、それを補填するために新たに借入をする…。このような負のスパイラルに陥る方も多いのだとか。ただでさえ心細いなか、非常にストレスとなります。
家族に早めに打ち明けておくだけでも、一人で抱え込むよりは心の持ちようが違ってくるのではないでしょうか。

なお、ヤミ金(闇金融)の相談を弁護士や司法書士に相談する際は、できるだけ契約に使用した書類を用意することが重要となります。例えば、金銭消費貸借契約における書類などがよいでしょう。それから、銀行口座を利用したときの明細書や通帳などの記録もあるとよいかもしれません。そしてこれらが一通りそろったら、いよいよ相談するという流れになります。

相談先としては、弁護士会や司法書士会が主催する相談会に行くという方法や、相談に掛かる費用が捻出できないという方は、行政による無料相談会もあります。また最近では、「法テラス」といった経済的に余裕のない方でも法律相談ができる機関があり、全国各地に事務所を設けていますので相談しやすいのではないでしょうか。加えて、インターネットを利用して、闇金に実績のある弁護士・司法書士を探してみるという方法もおすすめです。
ちなみに、闇金についての相談先は金融庁の相談窓口に一覧があります。ご自身の利用しやすいところを見つけてみてはいかがでしょうか。

■金融庁: 相談窓口

ソフト闇金を利用しないための対策

ソフト闇金を利用しないための対策

ソフト闇金やヤミ金(闇金融)を利用しないためには、事前の対策が必要です。そのためには、闇金と正規の貸金業者を見分ける方法を知ること、そして闇金の手口を知っておくことが大切となります。

まず、見分ける方法について解説すると、健全な貸金業者であれば、“貸金業登録”をしています。これは、貸金業を営むには、必ず国または都道府県に貸金業登録をする必要があるからです。つまり、貸金業登録をしていなければ闇金である可能性が非常に高いといえます。また、融資を受けるにあたっては、それぞれのサイトを見ると思いますが、そこであからさまに金利が高く設定されている場合も、可能性は大です。これは上記にもあるように、貸付を行う業者は、20%を超える金利を設けてはならないという、利息制限法が適用されているからです。

それから、大手金融機関に似た名前を使用していることも見られます。特にチラシやダイレクトメールなどでは、これらのロゴに似せているばかりではなく、全く別の電話番号やURLを掲載していることもあります。加えて、「必ず借りられる」「すぐに融資額○○○万円が借りられる」「無職でも確実に借りられる」といった甘い言葉が記入されていることも。確かに、切羽詰った状態だと惹かれる言葉なのですが、たとえ借りられたとしても法外な金利や利息が課せられることになりますから、注意しましょう。

なお、金融庁のサイトでは 無登録業者のリストを公開しています。怪しい貸金業者かもしれないと思ったら、まずはこちらにある「違法な金融業者にご注意!」を参考にしてはいかがでしょうか。さらに、「登録貸金業者情報検索サービス」といって、登録番号や商号・名称、電話番号などを入力するだけで登録されている貸金業者を探すことができるツールもありますので、こちらもあわせて利用することをオススメします。

まとめ

知らず知らずのうちに、ソフト闇金を利用してしまったというケースの他にも、実は総量規制(年収の3分の1以上は融資をすることができない)が導入されたことによって、闇金と分かっていても利用する方が増えているといわれています。これは、正規の金融機関のカードローン審査になかなか通らない、というのが主な理由のようです。
しかし、ヤミ金(闇金融)はソフト闇金であっても違法です。その場しのぎはできても、その後のリスクを考えると、任意整理や個人再生などを、一度検討したほうがよいのではないでしょうか。

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