一般の投資と何が違う?ソーシャルレンディングとは

2016年11月14日

一般の投資と何が違う?ソーシャルレンディングとは

近年では、インターネットを通して資金を集める「クラウドファンディング」が盛り上がりを見せています。クラウドファンディングには種類があることはご存知ですか? 日本で最も認知されているクラウドファンディングは「購入型」と呼ばれており、クラウドファンディングはその他にも大きく分けて2つの種類があります。 この記事では、その内の一つである「投資型(ソーシャルレンディング)」について解説していきます。

目次

そもそもクラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、事業や慈善など何らかの目的を行うために資金が必要な人が、インターネットを通して不特定多数の人から資金を募る事をいいます。

日本でもクラウドファンディングは話題ですが、日本におけるクラウドファンディングは「寄付型」「投資型」「購入型」の3つに分けられ、その中の「投資型」がソーシャルレンディングにあたります。ソーシャルレンディングに触れる前に、まずは「寄付型」「購入型」「投資型」それぞれの内容について解説します。

寄付型

寄付型のクラウドファンディングは、金銭的なリターンのない出資を行います。
通常の寄付と違うところは、寄付を行った後も、そのお金がどのように使われているのかが確認できるようになっているという事です。主に発展途上国などの寄付のために利用されている事が多いようです。

購入型

購入型は、まだ存在しない商品やサービスの先行販売を行い、商品やサービスが完成したら提供するというものです。資金を募る側が、これから作る商品やサービスのプレゼンテーションを行い、そこで出資側が魅力を感じたら出資を行い、一定金額が集まるとプロジェクトが開始されます。
日本においては、クラウドファンディングとしての認知度が最も高いのが、この購入型と言われています。

投資型

投資型と呼ばれるソーシャルレンディングは、2005年にイギリスの「ZOPA」という企業が始めた、個人と個人がネット上で小口融資を行えるサービスが原型となっています。

投資型は、「出資」を行う寄付型や購入型とは違い、「融資」という形になるため日本では法律上の問題がありました。そのため、日本でも2008年に「maneo」が2009年に「AQUSH」がサービス開始を行いましたが、法律などの問題もあり、日本では個人間での融資サービスは一時休止されています。

出資と融資の違い

出資とは、成功を期待してお金を出す事を言います。そのため出資したお金は、出資された側に返す義務は基本的にはありません。

対して融資とは、返済してもらうことを前提にお金を貸す事です。日本では融資を行う場合には、貸金業者として登録する必要があるため、個人間で融資を行うことが難しくなっているようです。

日本独自のソーシャルレンディング

日本におけるソーシャルレンディングとは、「お金を借りたい企業」と「お金を貸したい人・企業」をネット上で結びつけるための仲介サービスの事を言います。

日本では個人間での融資ができないため、日本のソーシャルレンディング企業は個人から集めたお金を企業に貸し付け、発生した利息の分配を行うという、貸付型と呼ばれる形を取っている事が多いようです。

貸し手は借り手が分からないようになっている

貸付型のサービスの場合には、貸し手側からはどこに融資するのかが分からないようになっています。これは、匿名組合出資契約を貸し手側と結んでいるためで、この契約があることによって、貸し手側が貸金業法に違反する事を防いでいます。

ソーシャルレンディングの流れ

1.借り手からの融資申し込み

借り手となる企業から、ソーシャルレンディング企業への融資の申し込みが行われます。

2.審査が行われる

ソーシャルレンディング企業は、信用情報などの照会などを行い、融資の可否を決定します。

3.資金の募集を開始

借り手が審査に通った場合、資金の募集が行われます。融資を行うのはあくまでもソーシャルレンディング企業ということになり、貸し手側はソーシャルレンディング企業に出資しているという形になります。

4.募集終了

募集していた資金が満額に達すると、その時点で募集が終了します。

5.貸し付け開始

借り手となる企業に、集めた資金で融資が行われます。

6.借り手からの返済

契約に則って、借り手からソーシャルレンディング企業へ返済が行われます。

7.貸し手に利益の分配を行う

ソーシャルレンディング企業から、貸し手へ分配が行われます。

ソーシャルレンディング事業者の利益はどこから?

ソーシャルレンディング事業者の利益は、出資側の利回りと貸し付け利率の金利差から出しているようです。例えば、出資側の利回りが5%だとすると、貸し付け利率は8%に設定して貸し出しを行います。そうすると金利差の3%がソーシャルレンディング事業者の利益になります。

手数料について

ソーシャルレンディング事業者の口座開設手数料や取引手数料などは、無料となっている場合が多いようです。

出資する側のメリット

高い利回り

年5%~10%といった高い利回りとなっている場合が多いようです。

出資する期間が短い

運用期間が数ヶ月という案件もあり、長期間縛られる事が少ないようです。

少ない資金から始められる

1万円から出資が行える事もあり、資金が少ない場合でも始める事が可能です。

分散投資が容易

少ない資金から始められるため、複数の企業へ資金の分散を行う事ができます。

変動がない

株式投資などのように変動が伴わないため、一度出資するとその後は変動の影響を気にする必要がありません。

出資する側のデメリット

借り手の倒産リスク

借り手側の企業が倒産してしまうと、借り手から借金の返済がなくなります。そのため貸し倒れになる可能性があります。

どこに融資するかが分からない

融資を行うのはソーシャルレンディング企業のため、出資側が融資先を知ることはありません。

借り手から見たメリット

ソーシャルレンディングでは貸し手だけではなく、借り手になる事も可能です。そのため借り手からみた場合のメリットについて触れます。

メリット

・銀行の融資対象にならない場合でも、ソーシャルレンディングなら借り入れができる場合がある
・比較的、早く借り入れが行える場合がある
・銀行からの借り入れ以外にも資金調達ができる

ソーシャルレンディングの注意点

貸し倒れ

ソーシャルレンディング事業者は貸金業のため、お金を借りた企業が借金の返済を行う事が難しくなった場合、貸し倒れになるリスクがあります。貸し付け条件などは案件によってことなるため、担保や保障がなかったりする場合があります。

そのため、どのようなリスクがあるのかを出資する側は、しっかりと見極める必要があります。また、貸し付けの際の審査基準はソーシャルレンディング事業者によっても異なるため、しっかりとした運営を行っているかどうかを見極めることも重要です。

ソーシャルレンディング事業者の倒産

ソーシャルレンディング事業者の財務状況が悪い場合、最悪倒産の可能性が出てきます。
通常、為替取引を扱っているFX会社が破綻した場合には、信託保全を行っているため預けているお金は保証されます。ですが、ソーシャルレンディング事業者の場合は、信託保全などは行われていないため、ソーシャルレンディング事業者に預けているお金は最悪返ってこない可能性もあります。

ソーシャルレンディング事業者の中には、投資口座の資金は別で管理している場合もあるようですが、FX会社などと比べると充分とは言えないようです。

ソーシャルレンディングと不動産投資信託はどっちが得?

ソーシャルレンディングと不動産投資信託はどっちが得?

一般的に、ソーシャルレンディングと不動産投資信託は「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資法方だと言われてます。では、ソーシャルレンディングと不動産投資信託を比べた場合、得するのはどちらなのでしょうか。

不動産投資信託とは?

不動産投資信託はJ-REITとも呼ばれています。まず、J-REIT(不動産投資法人)が多数の投資家から集めた資金を使って、ビルやマンションなど複数の不動産を購入します。J-REITは、その不動産で得た賃貸収入などを投資家に分配します。J-REITが投資家から資金を集める際には、株式と同じような投資証券の発行を行います。

不動産投資信託のメリット

少ない金額から始められる

少額から証券の購入が行えるため、不動産直接投資のように多額の資金が必要ありません。

複数の不動産への分散投資が可能

J-REITは集める資金が大きいため、さまざまな不動産に投資できます。そのため、分散投資が可能となっています。

不動産投資のプロが運用

J-REITでは不動産投資のプロが運用を行うため、専門的な知識が無くても始められます。

換金性が高い

J-REITは証券取引所に上場しています。そのため、投資証券は株式のように売買を行うことが可能です。

収益金のほとんどが分配される

J-REITは、収益金のほとんどが投資家に分配されるようになっているようです。

不動産投資信託のデメリット

不動産市場のリスク

国内景気や金利、不動産の賃貸・売買市場の影響を受けて、J-REITの保有物件の賃貸収入や物件価格が変動すると、証券価格や分配金などが変動する可能性があります。

地震・火災などによるリスク

地震や火災などが起きた場合には、市場の変動が大きくなり、証券価格や分配金に影響を及ぼす可能性があります。

運営に関するリスク

J-REITも倒産するリスクがあります。

元本保証は無い

J-REITは上場しているため、常に価格変動にさらされています。そのため元本などが保証された商品ではありません。

ソーシャルレンディングとどっちがお得?

ソーシャルレンディングと不動産投資信託を比べた場合、どちらかがお得なのかというと、どちらとも言えません。どちらもリスクが伴う金融商品のため、どちらが正解という事はないためです。
ですが、その時の日本の国内状況によって選ぶのであれば、以下のような選択肢があります。

インフレが進むと思う場合には不動産投資信託

インフレとは、国内の物価が上昇していく事です。一般的に、インフレが起こる要因としては、円安傾向にあり、株式市場が継続的に上昇している時と言われています。
なぜ不動産投資信託かと言うと、一般的にはインフレが起きると不動産価格が上昇します。それに伴って家賃も上がります。

不動産投資信託は、不動産の賃貸収入や売買によって収益を上げるため、インフレが継続すると分配金も増えていくと考えられます。また、その場合には投資証券の価格も上昇していると思われるため、投資証券の売却によって売買差益を得る事も可能です。

国内景気の先行きが不安な場合にはソーシャルレンディング

国内景気が今後どうなるか予想が付きづらい場合には、ソーシャルレンディングをおすすめします。
その理由は、ソーシャルレンディングは、J-REITの投資証券のように直接的に市場変動の影響を受ける事が少なくなっています。また、案件によっては保証や担保が付いたものもあるため、貸し倒れリスクが小さくなる場合があります。

ソーシャルレンディングの今後

2016年現在、日本国内におけるソーシャルレンディングの市場規模は、数百億円程度に成長しているようです。ですが、世界のソーシャルレンディングの市場規模は数兆円規模に達していると言われており、世界的に見てみると日本の市場規模はまだまだ成長の余地があるようです。

ソーシャルレンディングの歴史はまだ浅いため、今後どのような問題が出てくるかはわかりません。
そのため、現在のソーシャルレンディング事業者がどのような運営を行うかという事や、国の法制度などの整備によって、今後のソーシャルレンディングの日本国内での立ち位置も大きく変わってくるでしょう。

まとめ

・クラウドファンディングとは、資金を必要としている人がインターネットを通して不特定多数の人から資金を集める事を言う
・ソーシャルレンディングはクラウドファンディングの一つで、投資型と呼ばれている
・日本におけるソーシャルレンディングとは、「お金を借りたい企業」と「お金を貸したい人」をネット上で結びつけるための仲介サービスの事を言う
・ソーシャルレンディングは貸し倒れなどのリスクがある

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