知れば安心!多重債務を予防してくれる貸金業法の仕組み

2015年10月4日
知れば安心!多重債務を予防してくれる貸金業法の仕組み

平成18年12月に貸金業法が成立しました。この法律ができることによって、日本の消費者金融が大きく変わり、今までのようにお金を借りられなくなりました。 では日本の貸金業を大きく変えた貸金業法とはどのようなものでしょうか?ここでは貸金業法の仕組みをご紹介します。

目次

借り過ぎを防止する貸金業法

貸金業法は借入側の借り過ぎを防止するために作られた法律です。貸金業法が作られた当時、際限なく借金を繰り返してしまう多重債務者が社会問題となっていました。こうした債務者を減らすために、借入ができる金額や金利を制限し、一定以上はお金を借りられないようにする貸金業法が成立しました。
成立は平成18年12月20日ですが、準備期間等があったため、完全施行となったのは平成22年6月18日からです。

貸金業法の3つのポイント

平成22年6月に完全施行となった貸金業法には、いくつかのポイントがあります。それは

・総量規制
・グレーゾーン金利の撤廃
・貸金業務取扱主任者の設置

の3つです。

【1】総量規制
1つ目のポイントは総量規制です。総量規制とは、年収の3分の1以上の借入はできないというものです。年収が300万円の人であれば、借入ができるのは100万円までです。これは1社からの借入額ではなく、複数社からの借入の合計額です。仮に年収300万円の人がA社から50万円の借入を行っていた場合、別の会社からは50万円までしか借入ができません。借入額を制限することによって、多重債務に陥ることを防いでいます。
総量規制を行うには貸金業者が借入を行う人の年収を知る必要があります。そのため

・1社から50万円以上の借入を行うとき
・他社と合わせて100万円以上の借入を行うとき

この2つのパターンの場合には、年収を証明する書類を提出しなければなりません
総量規制が適用になる借入は、個人が貸金業者から借りるときのみです。法人が事業資金を借り入れるときや、住宅ローン、自動車ローンなどの低金利で長期にわたるローンには総量規制は適用されません。また消費者が一方的に有利になる借金も対象外のため、おまとめローンも総量規制の対象外です。

【2】グレーゾーン金利の撤廃
2つ目のポイントはグレーゾーン金利の撤廃です。
今まで上限金利についての法律は、利息制限法の15パーセントから20パーセント、出資法の29.2パーセントという2つの上限金利が定められていました。基本的に利息制限法の上限金利である20パーセントを超えると、その金利は無効となりますが、出資法の29.2パーセントを超えなければ、刑事罰の対象にはなりません。
つまり利息制限法の上限金利を超えていても、出資法の上限金利があるため、本来無効になるはずの20パーセントを超える金利が有効となります。この20パーセントを超え、29.2パーセントを超えない金利のことをグレーゾーン金利と言います
新しく施行された貸金業法ではこのグレーゾーン金利を撤廃し、出資法の上限金利を20パーセントに引き下げました。これにより20パーセントを超える貸付を行った場合、刑事罰が科せられることになりました。
また貸付金額に応じた利息制限法の金利を超えている場合は、超過分の金利が無効となります。利息制限法では100万円までの貸付の上限金利を15パーセントに設定していますが、仮にこの貸付の金利が20パーセントだった場合、超過分の5パーセントは無効となります。つまり15パーセント以上の金利を支払う必要はないということです。
またグレーゾーン金利でローンを返済していた人は、払いすぎている利息の返還請求ができます。払いすぎていた利息のことを「過払い金」と呼びます

【3】貸金業務取扱主任者の設置
3つ目のポイントは貸金業務取扱主任者の設置です。貸金業務取扱主任者とは、貸金業者の業務を適切に行うための国家資格で、貸金業者は事業所や営業所毎に必ず設置しなければならないことになっています。
また貸金業者は貸金業務取扱主任者がきちんと業務を遂行できるように配慮し、助言に従わなければなりません。貸金業務取扱主任者を設置することによって貸金業者の業務を透明化し、貸金業者の業務が法律違反をしていないかなどを監督します。

銀行には適用にならない

貸金業法が適用されるのは、あくまで消費者金融などの貸金業のみです。銀行や信用金庫、農協など貸金業法の対象とならない金融機関には適用されません
銀行は貸金業法ではなく銀行法という法律に基づいて運営されています。銀行法には総量規制のような制限はなく、銀行が返済能力に問題なしと判断すれば、年収の3分の1を超える金額でも借入が可能です。そのため、たとえ消費者金融などから総量規制いっぱいまでお金を借りていても、銀行のローンは新規で借入れることができます。

まとめ

・貸金業法は多重債務者が増えるのを防止する法律
・総量規制やグレーゾーンの撤廃など、返済が不可能にならないような規制がしてある
・銀行の場合は貸金業法が適用されない

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