財形貯蓄を行っている人だけが利用できる財形融資とは?

2016年11月30日

財形貯蓄を行っている人だけが利用できる財形融資とは?

財形融資という言葉はご存知ですか? 財形融資とは、財形貯蓄を行っている人だけが利用できる住宅ローンの事なのですが「そもそも財形貯蓄って何?」と思われる方も多いでしょう。 この記事では「財形貯蓄とは?」から始め、その上で「財形融資とはどういう住宅ローンなのか?」という事について解説していきます。また、財形融資とその他の住宅ローンとの比較も行なっていきます。

目次

財形貯蓄とは?

財形貯蓄とは、勤労者財産形成貯蓄制度の事を言います。財形貯蓄制度は、勤労者の貯蓄や持家取得の促進のために国によって作られた制度で、財形貯蓄には「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3つの種類があります。

財形貯蓄の種類による違い

一般財形貯蓄

一般財形貯蓄は、使途が自由目的の貯蓄を、3年以上の期間にわたって行います。金利などの優遇はないため、一般的な預金と余り変わりはないと言われています。

財形年金貯蓄

財形年金貯蓄は、老後の安定を図る目的の貯蓄を、5年以上の期間にわたって行います。財形年金貯蓄を利用するには、契約締結時に55歳未満である事が前提です。財形年金貯蓄の場合、元本550万円までに発生した利息などが非課税対象(保険型の積立については、元本385万円まで)になります。ですが、年金を受け取る目的以外での払出しは、課税対象になります。

財形住宅貯蓄

財形住宅貯蓄は、マイホーム購入を目的とする貯蓄を行います。元本550万円までに発生した利息などが非課税対象になります。ですが、こちらも年金貯蓄同様、住宅取得以外の目的での払出しは課税対象になります。

財形貯蓄制度を利用するには?

財形貯蓄制度を利用したい場合は、自身が勤めている企業が財形貯蓄制度を導入している必要があります。そのため、勤めている企業が財形貯蓄制度を導入していない場合には利用ができません。

もし、財形貯蓄制度を導入しているのであれば、財形貯蓄契約を結び、毎月給与からの天引によって貯蓄を行います。

財形貯蓄制度のメリット

強制的に貯蓄が出来る

財形貯蓄は給与天引きによって行われるため、強制的な貯蓄が可能になります。そのため、貯蓄が苦手な人にとっては効果的に貯蓄ができます。

税金の優遇がある

財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の2つは、貯蓄によって発生した利息分が非課税になります。(元本+利子の合計が550万円まで)

財形給付金制度で運用益が貰える場合がある

企業と財形給付金制度の契約締結を行なった場合、企業は、財形貯蓄をしている社員1人につき毎年10万円を上限として拠出を行います。そして、7年経過ごとに拠出金と運用益の合計を社員に支給します。そのため、運用次第では利益がでる場合があります。

財形貯蓄を行うと融資が受けられる場合がある

財形貯蓄を行うと、独立行政法人の「住宅支援機構」や、福利厚生会社の「財形住宅金融株式会社」などから、マイホーム購入などの費用に使える「財形住宅融資」が受けられるようになります。

財形住宅融資とは?

財形住宅融資とは?

財形住宅融資とは、財形貯蓄制度を利用している人が借りる事のできる、公的な住宅ローンの事を言います。財形住宅融資を提供している機関は、主に「住宅金融支援機構」と「財形住宅融資株式会社」があり、それぞれで細かい利用条件などが変わるため、事前に確認する必要があります。

財形住宅融資の利用使途

財形住宅融資は、財形住宅融資を利用する本人が住むための新築住宅の購入・建設資金としてや、中古住宅の購入・リフォーム資金として利用が可能です。

財形住宅融資の利用条件

住宅金融支援機構で財形住宅融資を利用する場合、本人が満たす必要がある条件は以下のようになります。

・自分で所有及び居住するための住宅を建設、購入、またはリフォームする
・3種類ある財形貯蓄の内のいずれかを1年以継続している
・申し込み日前の2年以内に財形貯蓄の預け入れを行なっている
・申し込み日における貯蓄残高が50万円以上ある
・勤務先から住宅についての援助(住宅手当などの負担軽減措置)を受けられる
 ※リフォーム融資の場合は条件から除く
・申し込み時の年齢が満70歳未満(リフォーム融資の場合は満79歳未満)
・キャッシングやその他ローンなどの、年間返済額の割合が次の割合になる
(1.年収400万円未満の場合は30%以下 2.年収400万円以上の場合は35%以下)

借り入れ対象となる住宅などにも様々条件がある

財形住宅融資を利用する条件には、対象となる住宅の床面積や、住宅金融支援機構が定める建築基準に適合している必要があるなど、その他にも様々条件が細かく設定されています。
財形住宅融資は、他の民間住宅ローンなどと比べると利用条件が多いと言われており、それがデメリットと取られる事もあるようです

財形住宅融資の特徴

5年間固定金利の住宅ローン

民間のローンは「全期間固定金利」「変動金利」などが選択できますが、財形住宅融資の場合は、5年間の固定金利となっており、5年ごとに金利の見直しを行います。そのため、変動金利よりもリスクが少なく、全期間固定金利よりも低金利という特徴があります。
また、金利は申し込み時の金利が適用されるため、最初の5年間の返済計画が計画的に立てられます。

融資限度額は最高4,000万円まで

融資を受けられる金額は、財形貯蓄残高の10倍まで(最高4,000万円まで)となっています。そのため、財形貯蓄残高が300万円の場合の融資限度額は3,000万円になりますが、貯蓄融資限度額が500万円ある場合でも、融資限度額は4,000万円までとなっています。また、住宅購入費用などの80%が上限となっています。

フラット35や民間住宅ローンとの併用が可能

財形住宅融資は、フラット35やその他の民間住宅ローンと併用する事も可能となっています。そのため、フラット35との併用で将来の金利変動によるリスクを軽減する事が可能です。

財形住宅融資のメリット

最初の5年間は年0.2%の金利優遇が受けられる場合がある(2016年11月時点)

現在、財形住宅融資では、18歳未満の子どもがいる方や、中小企業で財形貯蓄を行なっている方を対象に、最初の5年間は年0.2%の金利優遇を受けられるキャンペーンを行なっています。(2018年3月31日までの新規受付分)
その場合、現在の通常金利0.62%(2016年11月時点)が、適用後には0.42%にまで引き下げられます。

3,000万円を借り入れた場合の年0.2%で発生する利息の違い

年0.2%の金利差というと僅かな差に見えますが、3,000万円もの大金を借り入れるとなると、意外と大きな差になります。

例えば、年0.62%の金利で3,000万円を借り入れた場合、1年間で発生する最大の利息は186,000円になり、5年間では930,000円になります。

これを年0.42%の金利で借り入れた場合、1年間で発生する最大の利息は126,000円になり、5年間では630,000円になります。このように、たった0.2%の差ですが5年で300,000円もの違いがでます。※単純な計算のため、実際の金額とは異なる場合があります。

金利の一部を会社が負担してくれる場合も

会社によっては、利子補給制度を設けている場合があります。その場合、会社が金利の一部を負担してくれる事になるため、さらにお得に借り入れを行えます。利子補給制度を設けているかは、会社によって異なるため、勤めている会社に一度問い合わせる事が必要になります。

その他の住宅ローンとの比較

その他の住宅ローンとの比較

住宅ローンの種類

財形住宅融資以外の住宅ローンは、主に「変動金利型」「全期間固定金利型」「固定金利期間選択型」の3つの金利タイプに分かれます。

変動金利型

一般的に、変動金利型の住宅ローンは、半年ごとに金利の見直しが行われます。そのため、市場の変動を受けやすいというリスクがありますが、3つある金利タイプの中で最も金利設定が低くなりやすいという特徴があります。

全期間固定金利型

全期間固定金利型は、その名の通り、借入から完済までの期間中はずっと金利が固定される住宅ローンです。金利がずっと変わらないため「借り入れ時に返済総額が分かる」という特徴がありますが、金利設定は、3つある金利タイプの中で最も高くなりやすい金利タイプです。

固定期間選択型

固定期間選択型は、3年、5年、10年など、利用開始時から一定期間金利が固定されるタイプの住宅ローンです。一定期間を経た後は再度、固定金利や変動金利などの金利タイプを選び直せるようになります。固定期間選択型は、全期間固定金利型と変動金利型のメリットをかけ合わせたような金利タイプですが、選択を間違うと最も返済総額が大きくなる場合があります。

変動金利と財形融資の比較(2016年11月時点)

2016年11月時点の変動金利の住宅ローン最低金利は、年0.497%となっています。また、財形融資の通常の金利は年0.62%になっています。この場合、変動金利の住宅ローンの方がお得になります。ですが、18歳未満の子どもがいる場合や、中小企業で財形貯蓄を行なっている場合は、財形融資では年0.2%の金利優遇が受けられるため、金利優遇を受けられる場合には財形融資がお得になります

全期間固定金利と財形融資の比較(2016年11月時点)

全期間固定金利の代表的なものとして「フラット35」があります。2016年11月時点のフラット35の最低金利は年0.93%となっており、今フラット35を契約すると金利が年0.93%で適用される事になります。財形融資の金利は最低が年0.42%となっており、最初の5年間は財形融資がお得になります。

財形融資は5年ごとに金利の見直しが行われるため、5年後に金利が上昇した場合には、フラット35の方がお得になる場合があります

固定期間選択型と財形融資の比較

固定期間選択型と財形融資は、数年間金利が固定されるという点では似ています。ですが、金利で比べると財形融資の金利の方が低い場合が多いようです。そのため、財形融資が利用出来るのであれば、固定期間選択型を選ぶメリットはあまりなさそうです。

住宅ローンの選択方法

将来的に金利が上昇しないなら「財形融資」や「変動金利」

財形融資や変動金利の住宅ローンは金利が変動するため、返済総額を予測する事が難しくなっています。場合によっては、借り入れ時の金利水準よりも金利が低くなる事もあり、さらにお得に利用ができるかもしれません。

逆に、借り入れ時の金利水準よりも金利が高くなる事があり「結果的には固定金利の方がお得だった」というような状態になる場合もあります。

そのため、将来的に金利が上昇しないのであれば、財形融資や変動金利の住宅ローンを選択する方がお得に住宅ローンを利用できます。

将来的に金利が上昇するのであれば「全期間固定金利」

全期間固定金利の住宅ローンは、最も金利設定が高くなりやすい住宅ローンですが、借り入れ時の金利はずっと維持され続けます。金利の変動を受けることがないため、将来的に金利が上昇する場合には、全期間固定金利の住宅ローンを選択するとお得に住宅ローンが利用できます。

まとめ

・財形貯蓄制度は勤労者の貯蓄や持家取得の促進のために国によって作られた制度
・財形貯蓄には「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3つの種類がある
・財形貯蓄を利用するには、自身が勤めている企業が財形貯蓄制度を導入している必要がある
・財形住宅融資とは、財形貯蓄制度を利用している人が借りる事のできる公的な住宅ローンの事
・財形融資は5年間固定金利の住宅ローン
・財形融資を利用すると、会社が金利の一部を負担してくれる場合がある

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